最近では薬で喘息発作間期の状態に保つ長期管理型の治療が可能になりました。発作が起きたときにも、治療で再び発作間期へ戻れる状態を作り出し、日常生活のなかで長期管理治療が継続出来るようにします。主な治療薬を下の表にまとめました。薬物治療の軸になるのは気道の炎症を抑えるステロイドですが、昔は全身に行き渡ってしまう内服薬だったので、骨粗鬆症、肥満などの副作用のため長期連用出来ませんでした。今は胃腸から吸収され難いステロイド吸入製剤があるので気管支だけに高濃度に使える様になりました。この薬は即効性の気管支拡張作用はないので自分には効果がないのではないかと思いがちですが、服薬する代わりの吸入薬ですから毎日吸入するのを忘れないでください。安定した発作間期の状態に保ち、発作を起こり難くする重要な薬です。表の1の A と B を一つに組み合わせた製剤も使い始められています。2 の A は吸入エアゾール製剤です。発作が起こりそうなときには早めに使いましょう。また発作予防の治療が不十分な状態でこの吸入エアゾールにだけ頼って一晩に幾度も吸入すると、効果は次第に薄れて長続きしなくなります。また短時間内に連用すると、頻脈や不整脈がでて、心臓にも負担がかかり、危険な状態になることもあるので注意が必要です。数度の吸入でも良くならなかったら、早めの病院受診が必要です。
日本内科学会 認定内科医、日本呼吸器学会 専門医・指導医
日本結核病学会会員、日本胸部CT検診学会会員
日本呼吸器内視鏡学会会員 呼吸器内視鏡専門医・指導医、
日本超音波医学会名誉会員 専門医・指導医、
コンピュータ支援画像診断学会理事、
Radiological Society of North America会員